山田英司プロフィール
「格闘ストリーミングマガジンBUDO-RA」編集長。「格闘伝説BUDO-RA」編集長。
早大「中国拳法同好会」初代主将。高校時代より中国拳法を学び、台湾、中国などの師につき、八極拳、螳螂拳、太極拳(陳式、楊式)、翻子拳、通劈拳、少林拳、形意拳、劈掛掌、各種武器などを学ぶ。自ら新空手やムエタイに挑み、戦う編集長として知られる。実戦だけでなく、その格闘理論には定評があり、初めて中国拳法の上達理論を確立する。
 1999年11月号 山田英司編集長 編集後記 

格闘Kマガジン 1999年 11月号  業界では、ゾンビ雑誌と呼ばれている本誌。版元が経営悪化でダウンすること2度。しかし、本誌の売れゆきだけは、皆様のおかげで絶好調。そういうわけで、版元(本の発売をしてくれる会社の事です。念のため)がダウンしても、格Kだけは永遠に不滅なのです。
 今回からは、タイトルも「格闘Kマガジン」と、リニューアルしましたが、内容は変わらず、いや、さらにパワーアップして、毎月読者にチャレンジしていく覚悟ですので、今後も誌上で組手を続けていきましょう。
 さて、読者と組手というポリシーは、様々な所で多角的に展開していきます。その最たるものが、今月のムエタイツアーの記事。女性二人も参加する楽しいツアーは、やる側だけでなく、見る側の人も楽しかったようです。二番目は、ボディプラント池袋での中国拳法のクラスの開設。格闘技の実験場として持続させていきたいと考えております。
 単に技術の追求だけでなく、その裏に隠された格闘技の構造というものを明らかにしていくことが、今後のテーマ。 誰もチャレンジしていなかった分野に挑もうと考えています。そのために、読者とともに、今日的なテーマを考えていこうとして始めた連載が、私の格闘技学入門。
かなり間にマニアックな内容ですが、実際に自分で武道や格闘技を学んでいる人には、必ずぶつかるテーマであると思います。そういう訳で、新生格闘Kマガジンはフルスロットル、パワー全開でふっとばしますので、しっかりついて来て下さいね。

 

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 1999年12月号 山田英司編集長 編集後記

格闘Kマガジン 1999年 12月号  自分が試合をするより、仲間が試合をする時の方が、緊張する時がある。会社のスタッフや友人が試合をする時など、本人はケロッとしているのに、私は前の日寝られなかったりする時もある。
 10月8日の全日本キックの試合が、まさにそうだった。本誌主催のムエタイツアーで、今年の大将をつとめた笠原君がキックデビュー。ルンピニー出場経験のある強豪を圧倒したツアーメンバーのエースのため、ツアー仲間が大集合。笠原君は飛鳥塾の選手として出場したが、これもツアーで知り合った野尻塾長の好意だ。地方のジムでは笠原選手の活躍の場が少ないからだ。その笠原選手のセコンド陣もすごかった。群馬県からわざわざ國土會の奈良選手がかけつけ、セコンドに。また、ツアーメンバーだった藤ジムの川原選手もリングサイドに集まった。なんと、キックの試合では、前代未聞。ライバルジムの選手がセコンド陣を固めた。奈良選手と同じく群馬県からかけつけた吉田さんなども、本来はセコンドのライセンスを持っているため、無料で会場に入れるが、わざわざ笠原選手からチケットを買い、少しでもファイトマネーに貢献しようとした。
 仲間の応援に応えるすばらしいファイトで笠原選手はみごと勝利デビュー。
キック界のジム同志のたて割り関係とは全く別の横広がりの輪が、本誌のツアーから生まれたのはうれしい限りだ。
華やかなリングの影には、様々なキックボクサーたちの青春が交錯しているのだ。
 
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 2000年1月号  山田英司編集長 編集後記 
格闘Kマガジン 2000年 1月号  今月の格闘技学入門の「統合と体系」の概念は良くわかりましたか?あまり詳しく解説するとページが足りないし、説明不足だと理論的でなくなるので、苦労しています。
 でも、これは非常に重要な概念で、これを理解しないと今日が分析できない。今、流行を作っているのは統合の概念が多いのです。例えば私の住んでいる町にも100円ショップが何軒もできました。今までのお店は靴屋とか文房具屋とかが体系で分けられてましたが、100円ショップは100円のものという統合のお店。はやりのコンビニなども統合の発想です。
 かくいう私も、ボクシングや空手などの体系の雑誌しかない時代に、初めて格闘技雑誌という統合の概念を業界に持ち込んだのです。今はあたり前だけど、当時は驚くべき発想だったんですよ。(と思います)
 でも、これだけ体系と統合に囲まれた生活をしていると、気づかないうちに不幸せな気持ちになる。良く言われるのは、今の子は物が豊かでも、精神的に豊かではない 、と大人たちは言う。それもそのはず。例えば喫茶店でもレストランでも、美しくおいしそうなメニューがズラリと並んでいる。パフェが食べたい、プリンも食べたい。 しかし、いつも頼めるのはひとつだけ。

   また、テレビ覧は、衛星放送が増えて、メニューは増えても、自分が今見れるのはひとつだけ。自分以外の所でもっと楽しい事があるんじゃないかと常に不安。世の中には豊かなのに、いつも自分は豊かじゃない。この飢餓感が、物があふれても精神的に豊かにならない原因なのでしょう。じゃあどうすればいいかって?その答えが出せたらノーベル賞です。あせらずに、皆さんと一緒にじっくりと考えて行くほかありません。
 
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山田英司編集長 編集後記一覧
 
   
 
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